東京オリンピックまで11か月となりました。
今年の夏も厳しい暑さが続き、オリンピックは過酷な中での開催が予想されますが、気温だけではなく、色々と問題が噴出しています。
トライアスロン会場となる東京・港区の「お台場海浜公園」で、8月11日に行われた水泳オープンウオータースイミング(OWS)の五輪テスト大会では、選手たちから「正直くさい。トイレみたいな臭いがする」などの苦情がありました。
上記画像はこちらから。
そして17日、パラトライアスロンの前日水質検査では、ITU(国際トライアスロン連合)は最悪の「レベル4」に分類される、基準(100ml以下で250匹以内)の2倍の大腸菌が検出され、スイムは中止となりました。(こちらから)
この日のために、厳しい練習を重ねてきた選手が、最大限の力を発揮できる環境を用意することは当たり前のことなのに、トイレのような臭い中で泳がすとは、また、基準値を超える大腸菌が出たから、スイムは中止するなど、単なるイベントのような発想ですね。
10数年前、子供が小さい頃、お台場の海辺で遊ばせたこともありますが、確かに、せいぜい足をつけるレベルの水辺なのです。
とても悲惨な状況のようですが、このあたりは臭いというレベルの問題ではなさそうです。
泳げる水質の海を作りたいと活動されている港区議会議員の榎本茂氏の記事を転載します。
------------------------------------------------------------------(以下こちらから転載)------------
港区の海はなぜ泳げないのでしょうか。
雨が降った後、運河は黄色がかった悪臭を放つ水で満たされます。
これは、雨が降った後、トイレや台所などの汚水が浄化されず、塩素を混ぜただけの状態で運河に放水されるからです。
赤坂、六本木など港区全域、隣の銀座を含む中央区、国会議事堂のある千代田区、豊島区、文京区、新宿区、渋谷区、世田谷区、目黒区、品川区という、山手線エリアの内側のほぼ全域から汚水が、私たちの街に集められ、雨が降るたび茶色い「簡易処理水」として運河に放水されているのです。
私たちの街にある芝浦水再生センターが作られたのは、昭和6年。
なんと満州事変があった年。
この老朽化した施設が、今の東京の姿を想像して作られたわけもなく、10区から集まる莫大な量の下水と雨水を処理しきれないことから、平成24年度だけでも塩素を混ぜただけの汚水を187万7200㎥、実に東京ドーム1.5杯分も運河に放水しています。
雨が降った直後から、焦げ茶色の汚水が濁流となって放水され、あっという間に運河は黄土色に変わり、高浜水門から運河の外へ流れ出し、レインボーブリッジ、お台場へと海の色を変えていきます。
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榎本議員は、平成23年に、下水道局と直接話し合い、港区には未浄化下水を一滴も流さないという方針に変更を求め、巨大な地下貯留施設(主ポンプ棟整備事業)を作る計画がスタートしたそうですが、問題があり、建設工事は本格的に開始されていないとのことです。
----------------------------------------------------------------(以下こちらから転載)--------------
東京都下水道局では4年前、これらの未浄化汚水の放流改善策として、地下75mに達する大規模な地下貯留施設の建設を開始するとして公聴会を開いたが、工事が始まって見つかった地中障害物の撤去に時間がかかるとの事で、4年が経過した現在に至っても建設工事は本格的に開始されていない。
完成予定は平成35年と言っていたが、現在は「未定」との回答だ。
また、これが完成したときの、水質目標も、港区を通じて東京都下水道局に質問したが「判らない」との回答だ。
なぜならば、この映像にある汚水の水質は、全て合法的な基準内に収まっているという事になっているからだ。
(残留塩素濃度をもとに推定されると言っているが、直接サンプルを取って水質検査は行なっていない)
しかし、港区が雨天後に運河の水質調査した結果は、環境省が定める海水浴基準(100mlあたり1000個群以下)の実に2400倍もの大腸菌群が検出されている。
平成26年度雨天時における運河等の水質調査
平成23年に、港区議会建設常任委員会委員長という肩書きを持って、副委員長として支えて頂いていた公明党の館下先生と共に都庁を訪れ、下水道局の担当者に未浄化下水放流の改善をお願いした際の担当者の言葉が今も耳から離れない。
「先生、下水道施設から出ている水はキレイなんです。運河が白く濁るのは海底のヘドロが巻き上がるからです。運河を綺麗にされたいのでしたら、港湾局にヘドロの浚渫の陳情をされるといいですよ」
「自分のお尻から出たウンチは、もう自分のものではなく、トイレのものだから、文句はトイレに言ってください。」
こう言われているような気がした。
排水溝から先の海を管理するのは港湾局だから、海の水質を問題視するなら港湾局に言うのが筋だという理屈なのだ。
下水道処理施設から放水される汚水は淡水だ。
だから、比重の重い海水層の下の海底に淡水が到達し海底のヘドロを巻き上げるなど、汚水を滝のように落とさない限り絶対にありえない。
だいたい、ヘドロは真っ黒だから、こんな色にはならない。
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下水道局は、今の状況でも合法的な数値内だという認識なので、地下貯留施設が完成されれば、水質の改善は期待できますが、水質目標はわからないとのこと。
「下水道施設から出ている水はキレイだ」と言い切る下水道局担当者の発言には、呆れてしまいますが、お役所とはこういうものでしょうか。
自分の生活さえ守れれば、海に汚物を垂れ流そうが、後はどうでもいいみたいですね。
平成30年度雨天時における運河等の水質調査でも、雨天時には、高浜水門では、790,000という異様な値を出していますが、晴天時の4,900という数値も、十分危険です。
ヒンズー教徒が「聖なる川」とあがめるインドのガンジス川で、巡礼者が沐浴(もくよく)するのは「危険」と地元紙が警鐘を鳴らしているそうですが、どうやら東京湾の方が危険なようです。
東京湾が汚いとは思っていましたが、まさか雨天時に垂れ流ししているとは想像もしていませんでした。
日本は水・衛生分 野で平均して500億円/年の ODAを供与しています。(こちらから) 優れた下水道技術をベースに、長い間多くの国にODAを行い、例えば2018年1月には、インドベンガルール上下水道整備事業(フェーズ3)で450億のODAを行っています。(こちら)
そんな、下水道技術を誇る日本の首都、東京の海がこの有様、恥ずかしくて、人も呼べないどころか、各国の一流選手、オリンピック選手を肥溜めの中で泳がせるという暴挙は、何のためでしょう。
東京オリンピックは、誘致時想定予算の7,000億円が、いつの間にか「3兆円」に達すると言われています。「オリンピックだから」と、費用がどんどんかさんでいるのでしょう。かたや、ボランティアを無償で使い、選手を汚物の中で泳がせる。いかに一部の人が、ただ儲けたいだけなのだとわかります。
トライアスロンは、施設を作る必要もないですから、儲けにならないし、どこで泳ごうが知ったこっちゃないって感じのようですね。
トライアスロンでは1km泳ぎます。1kmだって長いのに、マラソンスイミングは10kmも泳ぎます。綺麗な海とは言わなくても、普通の海で、競技に集中できるような環境にすることが、開催国の義務です。
オリンピック招致をされた関係者や役員の方には、糞便の浮かぶお台場の海をぜひ体感して頂きたいものです。
前回の記事では、オリンピックのマーケティング専任代理店の電通の巨悪についてお話ししました。私達は電通の宣伝文句によって、オリンピックに夢を見、いかに素晴らしいものかを洗脳されていますが、その実情は、庶民から吸い上げ、一部の関係者が潤うための、一つの派手なイベントにすぎません。
オリンピックについては、以下の記事も、どうぞお読み下さい。
東京オリンピックの経済効果は数兆円という大嘘。ギリシャの財政危機はオリンピック開催が原因でした。
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〜東京オリンピック・裏金問題と憲法改正〜「電通」と「生長の家」は、一つに繋がっています。
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