近年の自衛隊募集のポスターは、とても楽し気で、ひと昔前のお堅いポスターよりずっと親近感があり、 イメージアップを図っています。
こちらは、自衛隊滋賀地方協力本部が使用していたポスターですが、下着が見えているようなデザインで撤去となったようです。
アニオタはネトウヨと同じ部類に思えますから、自民党を強烈に支持し、ネット上でひたすら工作活動を繰り広げる、自民党ネットサポータークラブ(J-NSC)のネトウヨの気分は盛り上がるでしょう。
しかし、自室に籠るイメージの彼らが、自衛隊に入り、国を守る任務につくことは想像できませんね。
可愛いアニメに目が行く子供達は、小さい頃から明るいポスターを見慣れていれば、好感を持ちやすいかもしれません。
このようなイメージ戦略を行う背景には、人口減などにより、自衛隊員が、定員割れをしていることがあげられます。
約20年前の、募集対象の18歳~26歳は約1700万人に対し、現在は約1100万人なので (こちらから参照)、自衛官のうち「自衛官候補生」と「一般曹候補生」の上限を33歳未満と引き上げました。(こちらから参照)
また、女性自衛官の比率を2030年までに9%以上を目標とし、(こちらから参照)女性活躍のための改革を行うなど、自衛隊離れを食い止めようとしています。
災害や救助などでの、自衛隊の活躍は言うまでもありません。過酷、危険な中での活動は、我々一般人には想像もできず、頭の下がる思いです。国民の誰もが自衛隊の活躍をありがたく思い、感謝してることでしょう。
そのような自衛隊の日々の訓練の激しさや、閉鎖された組織での隊員生活の厳しさも相当なものです。いじめやパワハラも日常茶飯事とのこと、やめたくても辞めれないのは、定員不足が原因だそうです。辞められなければ、病気にもなってしまいますね。
「自衛官人権ホットライン」相談室を運営されている元反戦自衛官 小西誠氏の講演の記事をご紹介します。
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いま、自衛隊の中が大変なストレス状態にある。原因は複合的。自衛隊の大再編が始まり、全国的な異動がおき、仕事も変わる。いままで戦車部隊だった人が急にミサイル部隊に配置など、仕事が変わり、勤務地も変わる。これから先島諸島への転任も間違いなく増える。家族が行きたがらないと単身赴任になる。そういう状態の中で非常に複合的な要因でストレス状態が蔓延している。
自衛隊の中でプライバシーや人権はほとんどない。人権が保障されないのは、旧日本軍以来の伝統。しかも自衛隊は24時間勤務体制。幹部以外は基本的に営内居住、自衛隊の柵の中で居住するのが原則。曹以上でも原則として営内居住だが、結婚していると営外居住が許可される(士長以下は、外出・外泊での営外居住)。将校は営内に住まない、昔から。自衛隊にも自前の自衛官ホットラインがあり、自衛隊OBの天下り先になっている。上司がまともで解決する場合もあるが、相談しても放置されたり、プライバシーが守られず、すぐパワハラ加害者に通知される例もある。パワハラ裁判での幹部の証言のように、「指導とパワハラの区別がつか」ない。基本的に「弱いものがいじめられる」「弱い者が死ぬ」「ささいなことで騒いでいる」という発想。 自殺が何件もあるが、遺書さえ隠す。自殺者が出ると隊内はもちろん、民間のアパートでも司法警察権をもつ警務隊がまっさきにかけつけて、捜索と称して遺書などを処分してしまう。事件を認めると上官に処分が及ぶので、必ず、隠す。
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国民から信頼され、国民のために日々活動されている自衛隊の、その内情のあまりのひどさに、いたたまれなくなってしまいます。そして自殺については、なるべく隠蔽し、大してニュースになりません。
イラク戦争で死んだ自衛隊員35名。帰国後も25名が自殺。この件についてマスコミはさして報道せず。
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アフガニスタン、イラクの両戦争に派兵された自衛官の自殺者が2014年3月末時点で少なくとも40人にのぼることが分かりました。政府答弁や防衛省の回答によるもの。国民平均に比べ約3~16倍、自衛官全体と比べても約2~10倍の高い割合で自殺者が出ています。
(中略)
しかも、これらはのべ派兵人数をもとに算出したもの。実際は1人の自衛官が数次にわたって派兵されており、実態としての自殺率はさらに高くなります。防衛省は自殺と派兵の因果関係については「わからない」としています。
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通常の隊員生活でも、自殺があるほどの環境ですから、戦地を経験したストレスなどが自殺に結び付くことは容易に想像がつくと思うのですが、因果関係はわからないとするのも、姑息です。
また、自殺までに至らないにしても、色々な犯罪が起こる世界のようです。
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内閣府の調査によれば自衛隊に対して好感を持つ国民は9割にのぼるという。だが、隊員自身がどう思っているかは別だ。関西在住のAさん(24歳)は、私大新卒で企業就職を目指したがうまくいかず、当座の仕事にと一般入隊枠から海上自衛隊に入った。
だが、そこで見たのは想像を超す「ブラック」な世界だった。直接的な暴力こそなかったものの、狭い艦内で先輩から胸倉をつかまれてすごまれるなどの仕打ちを頻繁に受け、精神的に追い詰められた。窃盗や強姦、自殺といった事件がありふれる異常な環境。「このままでは精神が壊れてしまう。無職でもいい」と逃げだすように退職し、人間らしい暮らしを取り戻した。
自衛隊に行こうとする若者や、自衛隊を美化する風潮に、Aさんは警鐘を鳴らす。「自衛隊はやめたほうがいい。どうしても入るのなら必ず逃げ場をつくっておけ。そうしないとストレスで死んでしまう」「自衛隊をやめたいま思うのは、精神壊して働くくらいなら生活保護もらうほうがいいということです。ばかばかしいじゃないですか。首くくってまで仕事したいですかって…」
つらかったのは、精神面だった。入って1週間は外出禁止。やがて土日休日は外出できるようになったが、舞鶴には遊ぶ場所などろくにない。パチンコか酒を飲むくらい。自由がないことがこれほどきついとは思わなかった。「楽しみがなさすぎて精神的に疲れてくる。外出してもなにもないので、土日やることっていったら携帯いじくるかトイレでオナニーするか。みんなそんなんですね。土曜日の朝がいちばんひどいんですが、腹にエロ本仕込んでトイレ行って、こすって出してポイ。洋式便所がそれで朝混む」集団で一種異様な精神状態にあったという。
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人を助ける仕事は必要とされ、やりがいもあり、過酷とは言え、若者が正義感を持って、募集するでしょう。しかし、旧日本軍の伝統が根強く残っているようですので、生半可な動機では身を滅ぼすことになりかねません。
また、悪名高きアベノミクスで、近年、格差は広がる一方。希望する仕事を見つけられずに、やむなく自衛隊を選ぶ若者も増えるでしょう。当然、そのように仕向けていくだろうと予測がつきますね。
可愛いポスターで宣伝に躍起になる以上に、まず、このような悪しき体質を変えていかないと、定員割れはさらに続くのではないのでしょうか。
ですが、個人的には、定員割れをしていても、全く問題はありません。。。
それでも、定員割れは、機器や装備などでカバーし、盛り上げていくことでしょう。また、アニオタでもネトウヨでも何でも数だけ揃えば、特攻隊にできるでしょうし。
一見、まだまだ平和に見える日本ですが、元号も変わり、戦前へと戻そうとする動きはあちこちで見られますね。マスコミから流れてくる目くらましのニュースにひっかからないように、注視していかないといけません。
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